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JOURNAL
− ジャーナル −

23
 デザイナーインタビュー
テンションチェアの生まれるまでvol.1

 
     
     
 
 

 

#ヒストリー #デザイン  

 

   

 


以前のエピソード、ジャーナル#18、19でお伝えした竹集成材プロジェクトの中で、今のテオリのスタイルにつながる魅力あるアイテムがたくさん生まれました。
そのなかでもテオリにとって重要な製品がダイニングチェアの初のヒット商品「TENSION(テンション)」です。

スクエアで現代的なデザインにもかかわらず竹の”しなり”を活かしたやわらかな座り心地ち、竹の表情を丁寧にとらえて形状に落とし込みグッドデザイン賞にも選定されました。

まさにテオリの製品の初期の代表作と言える製品です。

そのデザインに携わり現在まで商品開発に協力して頂いている、岡山県立大学デザイン学部、三原鉄平教授のインタビューをお伝えします。

 
 

岡山県立大学のHPはこちら |
https://www.oka-pu.ac.jp/
 
     
     
 

まずは三原先生について少し教えてください。



三原教授

今年開学30周年を迎える、岡山県立大学のデザイン学部の1期生として入学しました。
公立の大学として初めてデザイン学部を持つ大学だったのですが、建物もギリギリに仕上がって、実は5月入学にするという位のバタバタのスタートでした。庭の工事も終わってなかったので、実習と称して庭木を植える手伝いをしたりしてました。授業も先生とフィールドワークしたりユルかったですが、良くいえば自由な時代でしたね。







いかにも「古き良き時代」ですね、
就職活動にはご苦労されたのですか?



三原教授

そんな学校のスタートでしたし、1期生なので学内にも情報の無い中で手探りといった感じの就職活動でした。おのずと自ら考えて動き、3年生の時は東京のデザイン事務所でインターンシップもして家具の試作の手伝いなんかもしていました。ただ個人事務所での勤務は違うなぁと思いメーカーで就職しようと考える様になりました。大学の先生の紹介でプリンターなどを製造しているメーカーに企業実習に行き評価も良かったみたいなんですが、この分野がやりたいわけでもないというのも分かってきました。ここから自分のやりたいことを本気で考え始めましたね。



初めから家具デザインを志向されていたのではなかったのですね。



三原教授


インターンシップで行っていたデザイン事務所では家具の仕事をさせてもらって、家具は面白いと思っていました。家具メーカーへの就職活動を本格化させましたが、デザイン職の募集は少なく、一般職の面接でデザインへの意欲をアピールしながら活動し、最終的には大阪でオフィス家具メーカーに就職しました。
ところが入ってみて分かったのですが、製品開発の無い部署を受けていたことを知って予想と違ってちょっと焦りましたね。



思い通りのスタートではなかったのですね。
結局デザインの仕事は出来たのですか?



三原教授


法人向けの営業活動の中で提案用の空間デザインの仕事をしていきました。バブルがはじけて後の7年ぶりの新人採用ということで参考になる先輩もいなかったので、「これは自分で仕事のやり方を考えないとな」と思いました。

空間デザインの業務の中で当時出回り始めた3DCGを使える人が社内におられなかったので、それならばと独自に習得したところ「3Dの提案なら三原君だね」ということで営業の先輩からも重宝して使ってもらいました。
ただ元々、製品デザインがしたかったので、顧客の声を生かした商品開発という形で営業部発信の商品開発も社内で提案し、商品化されるまでになりました。


そのメーカーには3年間おられたと伺っていますが、商品開発を担当されるのもずいぶん若い時にされたんですね。
その後、岡山県立大学に助手として戻られたのはなぜですか?


三原教授


大学ではプロダクトデザインを勉強してきこともあり、やっぱり商品開発を本格的に行いたいと思っていたんですね。その中で母校である岡山県立大学で助手を探されているという話を聞きました。
地方の出身でもあるので都会でずっと暮らすというイメージも湧きにくく、縁のある岡山でならと思い、試験を受けて大学で働き始めることになりました。




 
 
 
 
 
 
     
 

そのなかで近隣である倉敷市のテオリと出会われたのですね。


三原教授


大学内で家具をメインに活動されていた教授が、地元の木工企業の方と組織された勉強会でテオリの中山正明会長(当時社長)とお付き合いが始まり商品開発をお手伝いするようになりました。

(その後、学習家具のテイクシリーズ等たくさんのアイテムをデザインするのですが、その時の詳しい流れは、ジャーナル#8をご覧ください。)

 


テンション開発に至った経緯について教えてください。



三原教授


ジャーナル#17.18でも、取り上げられていますが「竹集成材プロジェクト」の中で生まれてきたデザインです。
竹を使った商品は増やしていった当時のテオリですが、市場に竹を使った家具などほとんどなかった当時、お店にしてみてもお客さんにどのように伝えるのかまだ難しい時代でした。
竹の製品を世の中に広めていくために、もっと手に取りやすいインテリア小物を作っていきたいと中山会長はイメージされていて、その開発について相談されました。

竹の性質や良さをデザインの力で顕在化して製品化するのがポイントだとは思ったのですが、デザインのバリエーションを出すためにチームでのアイデア展開を提案しました。
ちょうどロンドンの「100%デザイン」イベントが日本に来ると聞き、そこに出展する目標で開発を進めました。



トータル2回の展示会への出品でしたが、
テンションの開発は2年目からでしたね。


三原教授

竹の魅力を皆さんに認知して頂くために、竹の性質や表情、製造方法について実験を行いながらのプロジェクトでした。
1年目は展示会までの期間が3〜4か月と短かったため、製品化しやすいものが中心に仕上げていきました。「100%デザイン」でアイテムが好評に受け取って頂いけたので、2年目はもっと開発に時間の掛かるものにも取り組んでいきました。

椅子はテーマとして良いなと思っていたのですが、開発には時間をかけるべきなので、初年度は準備だけをしておいて2年目の発表を見据えて動いていきました。

 
 

 

 
 

 
 

 

 
 

 
 



ここまではテンションが生まれる背景をお伝えしました。テンションの詳しい話が気になりますが、長くなるので先ずはここまで。
次回からは、よりデザインのプロセスを詳しくお伝えします。

 
 

 
 

 

 
         
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テンションチェアの生まれるまでvol.1

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